金(ゴールド)の歴史とアクセサリー・お手入れについて(14kgf・14Kゴールドフィルド・金めっき)
金の歴史と取扱についてまとめました。
金の特徴
展延性に富む(非常によく伸びる 1g=3000m)
耐性が高い(殆どの化学物質と反応しない)
比重が高い(19.32)
昔から産出が少なく貴重なものとされてきました。(通常、鉱石1トンに3グラム)
紀元前3000年ごろの古代エジプトでは王の印とされて、有名な黄金のマスクや寝台、玉座、装飾品などが作られています。
日本では5世紀の古墳時代に作られた金の腕輪や指輪が見つかっています。
日本でも新潟佐渡金山や奥州玉山金山、現在では鹿児島菱刈鉱山などが有名で採掘され利用されてきました。
マルコポーロが東方見聞録で「黄金の国ジパング」(Cipangu)として紹介したことはあまりにも有名です。
合金について
100%の金は柔らかいため、アクセサリーにすることは少なく、殆どの場合は別の金属との合金にして強度を持たせています。
最も多いのは銀と銅を混ぜた合金で、銀が多いとグリーンゴールドに近づき銅が多いとレッドゴールドに近づきます。
日本で利用が多いものは18金(K18)です。
この表記は、100%純金のものを24金(K24)として金の割合を示したもので、18金は75%が金であることを示しています。
ヨーロッパではK14、イギリスではK9がよく使われているそうです。
財務省造幣局では、金製品の国家検定があります。
品位証明は、白金製品については4区分、金製品については6区分、銀製品については5区分、白金及び金を接合した製品については5区分により行っています。
ホールマークのデザインは、日本の造幣局の証明であることを示す日本の国旗、日の丸”“と千分率で900、750といった品位(純度)を表すひし形の中の数字(例90%の場合”“)と、 純白金または白金合金を示す”“からなります。
例えば、金に”“とあれば金の品位が75%であることを意味し、銀に”“とあれば、銀の品位が92.5%であることを意味します。
中略
““の刻印がある金製品はK18と同等であると言えますが、K18とだけ刻印のある金製品は、造幣局で品位を証明したものではありません。
造幣局の記号は”“(日本の国旗と、ひし形に金の品位を千分率で表す数字を組み合わせた記号)となります。
ちなみに金製品の指輪やネックレスであれば1個150円程度の手数料で品位証明がつけられます。
K18と18Kの違いについて
18金以外にも、K24と24K、K14と14K と、Kが前に来たり後ろに来たりという違う刻印があります。では、この違いは何なのでしょうか?
結論から言うと、K24と24K、どちらでも表記はできるようですが信頼性に違いがあるようです。
日本国で製造されたものはK18というように前にKがくるものが多くあり、東南アジアなどで製造されている金製品の表記は18Kというような後ろにKがくるものが多く(あとKと言うそうです)こちらは、18金と言いながら実際には14金だったり10金だったりすることがあるらしく、信頼性はK18のほうが高いと考えられているようです。
最も信頼性の高いものは造幣局の品位証明がある、日本の国旗のマークと千分率で表記された数字がひし形に入っているもので、ここではKの表記は使われません。
K24の場合は<999>
K18の場合は<750>
K14の場合は<585>
K10の場合は<416>
と刻印されています。
逆に言えば K18と刻印されているものは造幣局の品位証明された商品ではないということも言えるでしょう。
金めっき及び14Kゴールドフィルドについて
金めっき(金メッキ)とは
真鍮等の地に薄い膜のように金(K9~K18)を張り付けているものを言います。
厚さは0.1μm(1μm(マイクロメートル)=1/1000mm)~0.5μmで、GP(Gold Plated:ゴールドプレート)と呼ばれます。
薄いため剥がれやすく、これが黒ずみの原因となります。安価ですが取扱いには注意が必要となります。
14Kゴールドフィルド(14kgf)金張り(金ばり)とは
14金ゴールドフィルドとも言います。
真鍮・銅・銀等の地に金を熱と圧力で圧着させたもの。重量の20分の1以上(5%以上)が金(24K)または金合金(K9~K18)であること。
金めっきにくらべ20倍~30倍の厚みがあることと、圧着により非常に剥がれにくく長期間の使用に耐えうること、またそれによりアレルギーが出にくいことがあげられますが、金めっきよりは高価になります。
GF(Gold Filled:ゴールドフィルド)と呼ばれます。
つまり、14Kゴールドフィルド(14kgf)とは、K14の金を地の素材に金張りしたもの、ということになります。「1/20 14KGF」 このような表記がされている場合もありますが、これは重量の20分の1以上がK14の金張りであることを示しています。
欧米ではポピュラーなアクセサリーに使用されるパーツです。
金めっき、ゴールドフィルドの注意点
水や石鹸等は酸化を促すため避けてください
研磨剤の入ったクロスは使用しないでください
樹脂やK18のように金属アレルギーに完全に対応できるというわけではありません
長持ちさせるために使用後は柔らかい布かティッシュペーパーなどでやわらかく拭き取ることをおすすめします。また保管は空気に触れないようにするのがベストです。
金製品のお手入れ
注意すること
金は錆びにくく傷つきにくいので、メンテナンスはそれほど必要ではありません。
香水、化粧品がつかないようにすること
温泉、銭湯の湯につけないこと
成分によっては変色をおこすことがあるため
保管
使用後は柔らかい布などで汚れを拭い落としてから、他のものと一緒にならないよう個別に保管すること(硬い宝石などが当たると傷になりやすい)
こちらに金のアクセサリーを磨く方法の動画などが紹介されています。
参考にしてみてください。