劈開(へきかい)とは

宝石・ジュエリー・鉱物の基礎知識

photo by Hannes Grobe

ほたる石の劈開

劈開(へきかい)とは何か?

多くの鉱物は結晶(結晶とは、原子が規則正しく並び対称性を持った形になること)を示し、その結晶の形によって、一定の方向に割れやすい性質を持つ。

この割れやすい方向を劈開という。

劈開が完全であれば、その割れた面は綺麗に真っ平らになる。

劈開が一方向に完全、というと、一つの方向で綺麗に割れることを意味し、

劈開が三方向に完全、というと、3つの方向で綺麗に割れることを意味する(正六面体になりやすい)。

劈開がない鉱物もあり、彫刻など自由に削る場合に向く。

劈開の種類

完全、明瞭、不明瞭、なし

と区別される。

完全:劈開にそって割れ、滑らかな光沢のある面をなし、他の方向には割れにくい

良好:劈開にそって割れ、それとほぼ垂直の方向にも割れる

明瞭:劈開にそって割れるが、他の方向にも割れる

不明瞭:劈開のように簡単にあらゆる方向に割れるため劈開を判断しにくい

 

劈開に似ている言葉に、裂開がある

裂開とは、通常は劈開を示さない鉱物にも関わらず内包物や傷などによりその面が割れやすくなっているものをさす

 

劈開の例

ダイヤモンド 4方向に完全(正八面体になりやすい)

ほたる石 4方向に完全

トルマリン 1方向に完全

トルコ石 1方向に明瞭

水晶 劈開なし